企業から見たオープンソース
商品としてのオープンソースをご説明します。
商品としての価値
オープンソースの基礎知識でも書きましたが、普通はオープンソースは 無料で配布されています。では、利益を得る事を目的としている企業はオープンソースの どのような点を商品として見ているのでしょうか?
これは発想の転換ですね。上記のように当然、オープンソースのソフトウェア自体を販売して 利益を得ることは出来ません。ですから、企業はその分、サービスで利益を上げようとします。 例えば、オープンソースを顧客向けにカスタマイズして販売したり、設置代行、維持管理などを行えば 利益を上げることができます。これは、販売側企業としても大幅なソフトウェア制作時間の短縮になりますし、 顧客側としても互換性の高いシステムを低料金(制作時間が短く、ライセンス料も掛からないため)で得る事が出来ます。 つまり、企業はオープンソースに付加価値を付ける事により収入を得ているわけです。
競争力
企業がオープンソースに注目する理由はもう一つあります。それはオープンソースの持つ競争力です。 例えば、現在のOS市場を見てみるとMicrosoftのWindowsが他を圧倒しています。 Macなどは根強いファンもおり、かろうじてシェアを確保していますがそれも知れています。 このような状況で新規参入する企業があったとしても、ほとんどシェアを取れずに 撤退となるのは明らかでしょう。つまり、新しいOSがWindowsより少々、性能が優れていたとしても ユーザが固定されやすいOSにおいてはWindowsを凌駕する事は限りなく不可能に近いです。
それに対し、オープンソースのOS・Linuxであれば無料・高いカスタマイズ性・優れたセキュリティという Windowsには無い3つの大きなメリットがあります。個人での利用はもちろんですが、企業として 利用する場合、このメリットは非常に魅力的です。
また、ソフトウェアが一つのベンダー企業のものに依存してしまうと、そのソフトウェアに不具合が あった場合、世界的に大きな被害が発生します(例えば、Windowsのセキュリティホールを狙ったウイルスが 世界的に大流行した事例)。それを避けるという意味でも競争力のあるオープンソースは魅力的です。